第2営業グループの松井です。

さて、突然ではありますが、レーザーカッター・レーザー加工機の導入を検討するにあたって、同じ機械でもW数(ワット数)をいくつにするか迷った経験はないでしょうか?

例えば、
「自社では、5mm厚のアクリルまでしか加工することがないので、ワット数は40Wあれば問題ない。」
というように考えてはいませんか?

確かに出力的には30Wあるいは40Wでも十分なのですが、より高い出力の80W、100Wにすることによる利点・メリットがございます。

今回は、ワット数から見るレーザーカッター・レーザー加工機の選び方について、ご紹介します。

おさらい:レーザー加工とワット数の関連性

ここで一度、レーザー加工機の出力方法のおさらいです。

レーザー加工機は加工の際、パワーとスピードを調節して加工します。
カット加工の場合は、スピード値を低くし、パワー値を高くします。
彫刻加工の場合は、逆にスピード値を高くし、パワー値を低くします。

ワット数ごとのカットできる最大の厚みは、40Wでアクリル8mm厚まで、80Wでアクリル10mm厚まで加工することができます。

実は、40Wより高出力の(パワーがある)機械であれば、元々備えているパワーが大きい分、スピードを速く設定することができるのです!

同じ加工を80Wと40Wで行った場合の時間を比較!

下記の加工内容を同機種の40W及び80Wにて加工を行った場合の加工時間を比較します。

加工内容

  • 材料:A2サイズのアクリル板
  • 加工内容:はがきサイズの長方形を切り出し
  • 加工数量:1,000個

※セットアップや材料の入れ替え、片付け等の作業時間は含みません。
※加工時間以外の項目についてはマスタ登録により変動する為、今回は指摘いたしません。
※マスタ設定のスピード値パワー値により、加工時間は変動いたします。

加工時間の算出方法

弊社で販売している「クラウドJOBZ(ジョブズ)積算」を利用します。

「クラウドJOBZ積算」は、レーザー加工やインクジェットプリンタ使用時などにかかる費用と見積金額を算出するクラウド型のソフトウェアです。
上記の機能に加え、おおよその加工時間を推測し、算出することもできます。

検証結果:加工時間に5時間の差が出ました

まず、40Wで加工した場合の加工時間の算出結果です。
アンダーラインが引いてある右下カットの時間(分)の項目は869分です。
単位を時間に換算すると、869÷60=14.48時間となります。

40Wのレーザーカッターで加工した場合の加工時間の算出結果

こちらは80Wで算出したデータです。
アンダーラインが引いてある右下カットの時間(分)の項目は579分です。
単位を時間に換算すると、579÷60=9.65時間となります。

80Wで加工した場合の加工時間の算出結果

単純計算かつ目安ではありますが、80Wの方が40Wより、約5時間(14.48-9.65=4.83時間)早くカットすることができることが分かりました。
もちろんロット数が多ければその差も広がっていきます。

また、80W機であれば40W機で加工できないアクリル10㎜まで加工できるようになるため、今まで受けられなかった厚物加工の仕事の幅も広がることでしょう。

これから新たにレーザー加工を始める、または増設、買い替えをご検討中の方も加工機のワット数を見直してみるのはいかがでしょうか?

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今回ご紹介させていただきました「クラウドJOBZ(ジョブズ)積算」では、おおよその加工時間だけでなく、加工サイズ、数量、厚み、加工素材、出力機、人件費をマスタ登録し積算をすることで見積費用を算出することもできます。

詳しくは下記ブログもあわせてご覧ください。

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